コピーライティングで最も大事なことは「最後までちゃんと読んでもらうこと」|マーケティングライターとしてネットショップをはじめ様々な企業のサポートをしている佐野順平さん

  • 関東

今回はアクセンチュアを経て、現在は株式会社TAKE FRONTIER株式会社SKYTの2社でマーケティングを中心とした様々な事業を手掛ける佐野順平さんです。取材場所として佐野さんがオーナーを務めるバー釣り人をお借りしました^^

sano_eyecatch

アナグラム

マーケティング業界で元々コンサルティング畑の方というのは非常に珍しい気がします。なぜ佐野さんはマーケティング業界へ?就職活動などはどうされてたんですか?

sano

大学院に行くことが決まってましたが、なんとなく就職活動を4年生になってから一応始めたんです。結果的には、大学4年時に就職をせず、大学院まで行きました。就活って色んな会社を知ることができるので、就活自体はやっておきたいなという気持ちが強くて。そのとき、とある就職支援系の会社さんとご縁があり、理系大学院生向けのITベンチャー企業就活セミナーに人を集める仕事をし始めたんですよ。大体2004~2006年あたりかな。

セミナーの集客は経験がなかった上に、当時理系の大学院生はベンチャー企業からのニーズが多い一方、あまり表に出てこない存在だったから、さあどうしようかなと。

アナグラム

理系かつ大学院生となると、所属する研究室や学科からの推薦でさらっと就職してしまうので珍しい存在ですよね。

sano

市場に出てこないから、もう地道に一つ一つ研究室を回りましたよ。その他、学生団体とか色々やりましたが、このセミナーの集客をやらせてもらった経験はすごく活きています。

アナグラム

佐野さんは新卒ではアクセンチュアに就職されていますね。やはりマーケターとしての素養を存分に活かしてコンサルティングをしていきたいという気持ちが強かったのでしょうか?

sano

いえ、友人にポロっと「佐野にいい会社があるから受けてみなよ」と言われてURLが飛んできて、「アクセンチュアってどこだよ」とか言いながらとりあえずエントリーシートを書いて、受かって、とんとん拍子で話が進み、就職しました。

当時、アクセンチュアは東大生の就職人気ランキング1位だったので、東大生が1位に選ぶなら間違いないか!と思って。入社して、研修が終わるとすぐ現場でコンサルティングに携わるような環境で、某大手企業の買収のコンサルティングなど携わりつつ、ゴリゴリ働いていましたね…。今でこそ働き方については厳しくなっていますが、まあ当時は、ね。でも楽しかったです。

2008年、現在のテイクフロンティアを創業

アナグラム

独立されたのは、アクセンチュアを退職されてすぐですか?

sano

そうですね。2008年8月に今のテイクフロンティアを創業したんですけど、これがもう奇跡のタイミングで。なんでかわかります?

アナグラム

なんでしょう……?

sano

翌月リーマンショックなんですよ。

取材時は笑いながら話していましたが当時は笑い事ではなかったはず。

アナグラム

それはやばい。

sano

学生時代に人事まわりにも携わっていたので、まずは人事関係の会社としてスタートしたんですよね。元々繋がりは多い方で、当初はアクセンチュア時代からお付き合いのある会社さんや、学生時代のコネクション、行動分析学をビジネスに導入して組織のマネジメントに活かそうという趣旨の社会人向け大学スクールを開講するお手伝いもしていました。それがね、創業1ヶ月で全部なくなりました。あはは。

唯一、中小ベンチャーのお仕事1件だけ残って、さあ、どうしようという状況。リーマンショックの影響で銀行からの融資も難しい。

アナグラム

が、崖っぷちですね…。その時、まだ20代ですよね?

sano

26歳です。ただ、タイミングよく昔からお付き合いのあった方に集客を手伝って欲しいと依頼をいただけて。人事まわりではなく集客の仕事を始めてみたところ、ポツポツとお仕事が舞い込んでくるようになり、集客寄りの事業へと軌道修正しました。

その頃いただいた案件の一つで面白かったのは、セミナー開催の1か月前に「セミナーで2,000人を集めてください。今、100人集まってます!」というもの。んん?となりつつ何とか2,000人集まりました。

アナグラム

なるほど。そこからは集客のお手伝いをされているんですね。ネットショップ関連のお客さんが多い印象ですが、何か理由があるのでしょうか?

sano

確固たる理由はなくて、ダイレクトメールなどの現場の集客に関心があるんだよね、と、ネットショップの社長さんからご連絡をいただく機会が増えてからはネットショップ関連のお客さんがメインになってきましたね。当時のネットショップはリスティング広告とSEOがブームで、ダイレクトメールに取り組むところは少なかったから物珍しかったんでしょう。人に流されてばっかりの人生です(笑)。

アナグラム

私もネットショップのお仕事がITへの入り口だっただけに感じますが、確かに当時はダイレクトメールに強みがある企業というのはほとんど聞いたことがありません。

sano

めちゃくちゃ売上上がるのになんで誰もやらないんだろうと思いながらずっとやっていました。それで実績がついてきたらあっちもやって、こっちもやってという感じで、おそらくのべ100以上のネットショップには関わってきているんじゃないかと。

ただ、ネットショップ以外のクライアントさんも多いです。できるだけ同業種はやらないようにしていて、やったことなくて面白そうな業種は基本お受けしますね。みんな、これが業界内のノウハウだ!と信じて同じような手法を取ってしまいがちですが、そこに異業種を見てきたからこその、固定概念にとらわれない手法をほんの少し取り入れてあげると、ぐっと売り上げが伸びるので、実は新しい業種の方が結果を出しやすい。

地方に限られたビジネスは話が別ですが、全国型の同じ客層を相手にするビジネスをいくつも受けてしまうと、両方の売上を最大化させるのって中々難しいですよね。だから、客層がかぶらないことが案件をお受けする際のルールの一つです。もちろん、アパレルで高級ブランドとカジュアルブランドとかはターゲットが変わってくるので、お受けしますが。

アナグラム

佐野さんは多方面で活躍されている印象ですもんね。佐野さんがコンサルティングをするうえでもっとも力を入れているのはどのような点ですか?

sano

最初のインパクトはやっぱりすごく重要ですよね。ぶっちゃけると、最近ご相談いただく中にはなかなか厳しい状況のお客さんも多くて。お客さんのところに行くと既存の広告代理店さんがマーケティングを担当している。で、実績を見せてもらうとCPAがどう見ても利益を取れる水準を超えていて、このCPAを見合わせるにはどう整理整頓すれば…、これは時間がかかるぞ…。みたいなことが多いんですよね。

そこで私の場合、多くは既存客へのアプローチをするんですが、それで大体売り上げが20~30%近く上がる。そうしてお客さんが「おっ!いいじゃん!」ってなってる間にいろいろ整えて軌道に乗せていくパターン。コンサルティングって時間がかかることが多いので、最初にこういったパフォーマンスができるかどうかってすごく重要。そのパフォーマンスができそうかどうかが仕事を受ける基準の一つでもあります。

アナグラム

短期的にぐっと売り上げが伸びると会社全体の士気も上がりますよね。以前はすべて佐野さんがフロントに立ってお話されていると伺いましたが、今も同じですか?

sano

そうですね、基本的には今もすべて私がフロントに立って仕事をしています。ただクライアント側にがっつりと入って、向こうのマーケティング担当を育てつつコンサルティングをやってということは、さすがに私の身一つでは中々難しいので、マーケティングの業務委託で受けるという案件も増えてきました。

毎年、期首にマーケティング予算をまとめてドカンといただいて、後はよろしくお願いします!というお客さんも結構多いのでもしかするとコンサルティングというよりもマーケティング代行と呼んだ方が近しいかもしれませんね。

アナグラム

クライアント側も特に中小企業だとどうやってマーケティングの担当者を育てたらいいのか分からなかったり、そこに時間を割くのが難しかったりするから、それなら丸ごとテイクフロンティアさんへ委託して商品開発など他の部分に注力していくと。

sano

現場の方からすると、知らないやつが急に入ってきて、なんかやって、よくわからないけど売上上がったぞ!みたいなお祭りに近い勢いがあるかもしれないですが、私が本当にやるべき仕事は「あれ、うちの会社ってまだまだいけるじゃん!」と現場、ひいては会社全体に火をつけていくことだと思っています。

現場にやる気がなくて、社長だけが盛り上がっているようなプロジェクトって絶対成功しなくて、現場もふくめた全体で盛り上がれるプロジェクトじゃないといけない。だから、現場のチームをどうやってやる気にさせるかが大事。その方法の一つが、短期で一気に売り上げを上げるということなんです。あとは、社長が現場に言いづらいことを代弁するとか。

自分にとってのマーケティングの法則は、売り上げを上げて、チームを盛り上げて、根本を改善していくことだと思っています。

机上の空論にならないように先陣を切る

アナグラム

従業員は現在何名くらいいるのでしょうか?

sano

グループ全体だと29人で、本社常勤が7人くらい、後は転々と。事業を複数展開しているので、店舗も2店舗ありますね。

アナグラム

マーケティングだけじゃなく、介護事業もやられているんですね!今日お邪魔しているバー「釣り人」も事業の一つですよね。その他には、どのような事業をやられていますか?

sano

WEBセキュリティ、メディア運営代行、ネットショップ運用代行、DM運用代行、リハビリセンター、ワインの小売事業、後はご存知こちらのバーですね。このあたりは株式会社SKYTという別会社でやっています。

なぜ色んな事業をやっているのかというと、コンサルティングの仕事をしていて一番言われて嫌なのが、「人にアドバイスはするけど、自分でやって結果を出せないんでしょ」ということ。それを言われるのが嫌で実業もやってます。何より新しく始める広告、例えば純広告とかは自分のところで試せるんですよ。実際にやってみて良さそうであればお客さんにも自信をもって紹介できるし、そうでなければ紹介しない。こういうテストが出来るのが良いですね。

アナグラム

自分の事業でテストマーケティングをやっていると。

sano

例えば、このお店釣り人は広告を打たなくてもある程度集客ができるようにきちんと設計しているので広告を打つ必要はないんですが、実店舗で活用できる広告の中でこの広告は効果があるのか?とか実際に使ってみて感覚を得るためにFacebookを中心に広告費を結構使っています。

アナグラム

身銭を切って広告を配信する経験の有無って大きいですよね。その経験がある人とない人とではクライアントからいただく広告費とか1クリックの課金に対する信念みたいなものが結構違ったりする。ところでこのお店はどういった経緯で始めたんですか?

sano

それはぜひぜひこちらに詳しく書いているので…

「釣りに行くとき、帰ってから魚をさばくのがしんどい!」ということを考えたことはないだろうか?しんどいなら魚をすべてリリースしてしまうという考えもあるが、釣り上げた魚は食べたいとやはり思う。そしてどうせ食べるなら、新鮮なその日のうちに処理をしておきたい。でも釣り当日は、疲れていて面倒だ!と……。そんな人に最適なイタリア料理を提供するリストランテが六本木に登場した。その名も「釣り人」だ。(中略)そんな釣り人の負担を軽減できないものかと。そこでオープンさせたのが、お店でさばいてくれて、料理もしてくれ、さばいた切り身は自宅に持ち帰ることもできる「シェフシェアリング」というシステムを持つリストランテだ。
雑誌「ソルトワールド12月号」、枻出版社、78-79ページ

sano

やっぱり釣りをやっていると、自分でさばくのつらいんですよ。

アナグラム

いつも思ってたんですけど、大物が釣れると喜びもひとしおですが、一人でさばくのも大変ですし食べきれないですよね。

sano

そこの冷蔵庫に釣り人会員の方が持ち込んでくれたお魚たちが入ってますよ、見ます?

アナグラム

おお!釣りという趣味を心ゆくまで楽しめる素敵な場所ですね^^

100人中100人が同じ意味でとらえられるコピーが最強

アナグラム

テイクフロンティアではマーケティング代行に近い業務に携わり、ほか複数の事業も展開されていますが、佐野さんご自身の本業としては、やはりコンサルティングなのでしょうか?

sano

本業は……、コンサルティングってあまり言いたくない、というか、コンサルティングではないと思っているので、言うなれば「マーケティングライター」がしっくりきます。

売れるコピーを書ける人って本当に少ないんですよ。売れるコピーってすごくシンプルだなーと思っていて、私が思うその条件が「100人が100人同じ意味でとらえてくれる文章」。これが最強に売れるコピーだと思っています。

ただ、100人すべてはあまり現実的ではなくて、90人とか95人、できるだけ多くの人が同じ意味でとらえてくれればその商品は売れるんですが、「100人が100人同じ意味でとらえてくれる文章」って一見当たり前に聞こえますよね。でも、難しい。なぜでしょう?

アナグラム

読解力の違いとかは考えられますね。人によって考え方が違うので、受け取り方も違う。

sano

答えはすごくシンプルで、例えばその一つの理由はちゃんと読まない人がいるから。例えば、学校の教科書って全部読めば一通りわかるようになっています。でも全員の学力は違うのは、ちゃんと読まない人がいるからなんですよ。中学校2年生でも分かるようなコピーを書けっていうのはコピーライティング界隈ではよく言われることなんですけど、そんなの当たり前で、全員に同じ理解をしてもらうために一番重要なのは「最後までちゃんと読んでもらうこと」の設計なんですよ。これが本当に難しい。

アナグラム

最後までちゃんと読んでもらうには必ずしも最初のキャッチコピーにインパクトがあればいいというわけではないですし、商材や悩みによっても違ったりなどいろんなテクニックが必要ですよね。

sano

本当にいろいろですよ。例えば営業セミナーの集客の時、最初に「●●の売上を上げる方法!!」って書くと人が来るかというとそうではなくて、最初は「●●さん、いつもお世話になっております。●月●日お時間は空いていますでしょうか?」みたいな書き出しが良かったりする。

食べ物で例えますね。日本料理が並んでいるところに急にベトナム料理が出てくると一瞬「何これ?」と目を引きますが、かと言ってベトナム料理を頼むかというとそうではない。同じく日本料理が並んでいるところに「おいしいお米で作ったおにぎりありますけど、いかがですか?」と言われると、自然と頼んでみようかなという気持ちになる。刺激的に惹きつけるのではなく、その人が慣れ親しんでいるメッセージや声に合わせて自然に入り込み呼びかけられるのが良いコピーだと考えています。

アナグラム

良いコピーを作るためには訓練で培われるものもありますが、究極優れたコピーが書けるかどうかって正直生まれ持った、あるいは長年の経験で培われたセンスもありますよね。メールとかも一緒で、教えられてすぐ上手なメールが書けるかというと意外とそうではない。

sano

みんなが文章を文章としてしか見ていないので、人を動かせる文章を書ける人が少ないんじゃないですかね。私が良く言うのは、コピーライターやりたい人はプログラミングもやったほうが良いということ。

アナグラム

プログラミングは書いた通りにしか動かないですもんね。「なんでそんな動きするんだ?」っていう時は100%自分が間違っている。こう書いたらこうなるというパターンを学ぶにはうってつけですね。

sano

人間も基本は一緒で、こう言ったらこう動くみたいなパターンが必ずありますよね。そのパターンの経験を積むことが大事です。

私がコピーを書くときは、目の前の文章を見るんじゃなくて、この文章を読んだ人はこういう行動をするだろうなとその先の行動を考えながら書くんですよ。

例えば、人に怒られる経験を何回かすると、「あそこでこう言ったからこの人は怒ったんだな」と判断して怒られないような言い回しをアウトプットできるんですけど、その経験が少ない人は怒らせてしまうような言い方をしてしまう。

人にものをお願いするときも同じです。ビジネスメールだと「●●をやってもらえませんか。」とたいていの人は句読点で終わりますけど、これってすごく冷たく感じませんか?距離感によっては「●●をやってもらえませんか?」と書いた方が柔らかい感じがして仕事もしやすくなることって多いです。それを読み取れず、「?」にしなかったがために発生するトラブルって必ずあるんですよ。

アナグラム

直接コミュニケーションをとっていれば相手の様子を見ながら反応がリアルタイムでわかるのでその経験を積みやすいんですけど、チャットだと相手の反応がいまいちわからないので相手がどう感じているのかが分かりづらい。チャット文化による弊害かもしれないですね。文章だけを見て相手が怒っているように感じたりするのもそういった弊害の一つですよね。

sano

その反応を読み取れない人同士のメールって見ているこっちがヒヤヒヤしますよね。

アナグラム

そのスキルは、どこかで学ばれたんですか?

sano

一番はブログですかね。学生時代、そこそこ人気のブロガーだったんですよ。就活論とか人事論とかを書いてました。あとはバーテンダー時代。

アナグラム

バーテンダー!?はじめて聞きました。どのようにスキルを身に付けたのか気になります。

sano

学生時代は、アルバイトでバーテンダーをやっていました。バーテンダーにはコミュニケーションのルールがあって、絶対にお客さんのことを聞いてはいけないんです。基本的に自分の話を一方的にしないといけなくて、巷でいう、人の話を聞かなくて自分の話しかしない一番のKY(空気読めない)なやつですよね。かつ、お客さんに喜んでいただけなくてはならないめちゃくちゃ難しい仕事なんです。だから、どうやったらお客さんに楽しんでもらえるだろう…と自分の中で色んな話題の引き出しを作ってやるわけですよ。

この体験を通じて、とにかく外に出ないといけない、色んな体験をしなくてはいけないということを身にしみて感じました。例えば、お酒の話はどんな方でも共有言語なので色んなお酒を飲んで、覚えたりしていましたね。そこからいろんな手綱を引き寄せつつ、こういう言葉を投げかけるとこんな反応が返ってきたぞ、というのをいろいろと試していました。

実はこれってWEBも一緒で、基本的に一方通行のコミュニケーションに対する反応をGoogle アナリティクスとかで確認しながら最適化をしていく。ただし、WEBと違うのは、一方通行のコミュニケーションに対する反応をその場で表情を見ながら確認できること。人ってこう言ったらこういう反応をするんだという感覚は、バーテンダー時代に身をもって学びました。

アナグラム

接客業を経験している人ってマーケターとして強いですよね。逆に接客業をやったことがないマーケターって数字を数字としてしか見てなくて、その先には実際の人間がいることを意識できてない人が多い。接客業は経験したほうがいい。

ブログについても経験したほうが良いと思っていて、自分が書いたことに対してどんなコメントが来るのかとか、SNS上の盛り上がり方などで反応が見れて面白い。

sano

当時私がブログを書き始めたときはA4、1~2ページくらいのブログを書くのに丸一日推敲までして8時間ほどかけていました。それを週に4本くらい、3年間書き続けましたのでそこでもコピーライティングとしての力はかなり鍛えられたかなと思います。

アナグラム

ブログをちゃんとやっている人は、丁寧に推敲するからこそ時間がかかりますもんね。文章を書く上で最も大事な時間、鍛えられるのは推敲だと思います。

sano

そう、何度も何度も読み返して、「本当にこの記事をアップしても大丈夫かどうか…」を何時間も考え、アップするまでに炎上しないかとか、人に突っ込まれたときにちゃんと回答できるかとか、必要に応じてちゃんと裏を取り、仕上げるようにしていました。1本のブログを出すのにすごく時間がかかるんですが、これこそ本当に価値あること。

最後の方は、慣れて1時間くらいで書けるようになりましたけど、かなり推敲する能力は鍛えられました。

アナグラム

まとめると、これからコピーライティングをやろうと思っている人はプログラミング、接客業、ブログ、この3つは絶対にやったほうがいいといえますよね。

sano

間違いないですね。コピーのその先には実際の人間がいることを意識できるように成長できる三種の神器だと思います。

今後の展開について

アナグラム

今後はどうなっていく予定ですか?

sano

これまでの人生、自分のやりたいことではなくて人に流されて生きてきたのでこれからも同じですね(笑)必要とされるところに出向き続けるのだと思います。

アナグラム編集後記

「人に流されて生きてきたのでこれからも同じ」という佐野さん。

集客、物流、システム周り、社内体制や求人などについて細かく言及して成果を上げ続けている佐野さんはいつも非常にパワフルに仕事をしている印象があるだけに、何か自分自身の大きな目標に向かって突き進んでいるのかと感じていましたが、人のために目の前のことを全力でやりきる方、という印象を強く受けました。

また、普段運用型広告の運用している私たちにとってもコピーライティングの話は非常に興味深いです。デジタル関連の仕事をしていると、どうしても目の前のディスプレイや管理画面が仕事相手だと思ってしまっている方も多いはずです。至極当然のことながら、目の前のディスプレイや管理画面を相手にするのではなく、その先にいる人に向けて、実際に行動につながるコピーを考えるべき、という言葉は心に刻んでおきたいです。

文:賀来重宏
編集:阿部圭司/高梨和歌子
写真:賀来重宏