アスリートのセカンドキャリア支援を通して誰もが安心してプロスポーツ選手をめざせる環境をつくりたい|スポーツチームの集客支援をしている株式会社プラスクラス 代表取締役の平地大樹さん

  • 関東

バスケットボール選手を引退後、人材業界とWEB業界を経て株式会社プラスクラスを立ち上げた平地大樹さん。起業に至った経緯や、スポーツチームの集客支援、そして本当にやりたいというアスリートのセカンドキャリア支援について、熱い思いと今後の展望をお伺いしました。

アスリートのセカンドキャリアを支援したくて人材業界へ

アナグラム

株式会社プラスクラスはWEBコンサルティングの会社で、株式会社プラスクラス・スポーツ・インキュベーション(以下PSI)もスポーツチームのWEBマーケティング支援をされていますが、平地さんご自身は起業する前は人材業界とWEB業界で働いていたんですよね。どうして最初は人材業界を選んだのですか?

nishikawa

アスリートのセカンドキャリア支援をしたかったからです。ぼくは元々バスケットボール選手としてプレーしていたのですが、引退したときから自分が何か業界に貢献できないかとずっと考えていて、そんな中で自分がやるべきだと思ったのがアスリートのセカンドキャリア支援だったんです。

当時は稼げるスポーツといえば野球とサッカーくらいで、バスケットボールのプロリーグもなくて、とにかくスポーツは稼げなかった。人気があって市場が大きければ稼げるんですが、やっぱり日本代表が強くないスポーツは人気が出ません。でも、人気がないスポーツは稼げないから将来が不安という理由でプロをめざす人が減少し、日本代表が強くなれないという悪循環が生まれるんですよね。なので、この引退後の不安がなくなるような、次のキャリアが開かれているような環境を整えられれば、安心してプロをめざす人が増え、さまざまなスポーツの日本代表が強くなり、人気のある稼げるスポーツができるよねと思いました。

アナグラム

なるほど。そういえば、日本にいるゴルファーは5000人程度いますが、そのうちプレイだけで食べていけるほど稼げるのが上位数十人ほどであると聞いたことがありますが、本当に厳しい世界だなと思いましたね。

引退後、最初に就職した人材会社ではアスリートのセカンドキャリア支援はできたのですか?

nishikawa

それが、アスリートの転職支援ってニーズがまったくないことがわかって(笑)

アナグラム

なんと(笑)

nishikawa

いやー、なかったですね。全くなかった。まあよく考えたら30歳前後でエクセルもパワポもわからず、年下から指示を受けるのも嫌がるプライドの高い人材は求められないですよね。

アナグラム

むずかしいですね。まだ若ければ素直に新しい環境に入っていけると思うんですが…

nishikawa

そうなんです。でも過激なまでにプライド高いのがアスリートという人種なんですよ。ぼくみたいに26歳で引退して第二新卒くらいで入っていけばまだ素直に仕事ができるんですが、みんながみんなそうじゃないので。

当然の話なんですが、同じスポーツやってきた人でも、大学までアメフトを頑張って新卒で入ってきてくれる人と、30歳を超えて引退してやってきた人では、どうしても前者の方をみんな採用したがりますよね。

WEB業界を経て起業、そしてスポーツ事業の立ち上げ

アナグラム

ニーズがないとわかって心が折れたりとかはなかったのでしょうか?

nishikawa

いえ、ニーズがないこと自体にショックは大きかったですが、ニーズがないとわかっても、何かしら転職支援をやらないと今後もプロをめざしていく人が増えていかないので、どうにかできないか考え続けました。そんなときに人材会社をリストラされて途方に暮れていたのですが、ありがたいことにSEOの会社に拾っていただいたんです。そこでアスリートのセカンドキャリア支援がしたい!という思いを伝えたら、社長から「売上つくってきたらいいよ」と言われて、じゃあ売上メッチャつくります!という流れで入社しました。

アナグラム

体育会系 (笑) そこでセカンドキャリア支援のサービスを立ち上げたのですか?

nishikawa

それがその会社で3年半くらいSEOをしっかり売って、そろそろセカンドキャリア支援のサービスを立ち上げても良いよというところまで行ったのですが、ぼくは「みんなでやるぞー、ウォー!」みたいな体育会系のチームをつくりたかったので、静かな方が多かったSEOの会社の雰囲気とは合わないよね、波風が立っちゃうよね、と社長ともお話して独立することにしたんです。

アナグラム

なるほどー!そんな経緯で独立されたんですね。

起業後、最初はどんなサービスを提供していたのですか?

nishikawa

最初はWEBのコンサルティングです。SEOをやってきて、WEBの集客はSEOだけじゃ完結しないということはわかっていたし、ぼくはSEOの会社でサイト解析やクリエイティブ制作の部隊をつくっていたので、WEB集客全体のソリューションは持ってたんですよ。だから、まずはお金をつくる目的で3年間はWEB事業に注力して、4年目からスポーツ事業をはじめようと決めていました。

アナグラム

最初からそこまで考えて…すごい。スポーツ事業の方はスポーツチームのWEBマーケティング支援をやられていますよね。

nishikawa

はい、会社が4年目になって「じゃあスポーツ事業やるか」というときに、WEB事業だけをやってきた会社がいきなりセカンドキャリア支援をやるのも急すぎないか?とまずはスポーツに特化したWEBマーケティング支援からはじめることにしました。

でもWEB事業からはじめたのは成功で、スポーツ事業はまだまだ利益が薄いですが、WEB事業の利益が出ているので臆せずやっていけてますね。今ではバスケットボールやサッカーなど、さまざまなスポーツチーム約40チームくらいお任せいただいていて、案件数もどんどん増やせています。

アナグラム

ライスワークとライフワークみたいな感じですね。

nishikawa

ですです。

集客を中心にスポーツチームのデジタルマーケティングを支援

アナグラム

デジタルマーケティングの支援というと、物販などよりも一番は試合への集客の支援になるのでしょうか?

nishikawa

そうです。スポーツは集客がとにかく重要なんですよ。なぜなら観てくれる方にとって満員が一番楽しいから。やっぱりいくら好きなスポーツでも盛り上がりたいときも横に人がいないとハイタッチもできないし、会場がスッカスカじゃ楽しくないじゃないですか。だから満員がいちばんの演出だなと思っていて、しかも満員になるとスポンサーがつくし、グッズが売れるんですよね。

スポーツ興行で一番大きいのはチケット販売で、次にスポンサー、グッズ、スクールの収入。この順番はスポーツやリーグによっても違いますが、野球だとここに放映権が入ってきたりしますね。それで、チケットが売れればスポンサーがつくし、グッズが売れるし、人気のチームはスクールが開けるようになる。誰からお金をいただくの?っていったらやっぱりファンになる。だから集客を一番頑張るべきなんです。

アナグラム

なるほど。WEBの集客方法としては、やっぱりGoogle・Yahoo!・SNSあたりが主流なのですか?

nishikawa

はい。Google・Yahoo!・SNSを使ってページに誘導してチケットを買ってもらって、またSNSで投稿してもらってというのをやっています。でも、スポーツチームのサイトって大体がすごく分かりにくい。だから、ぼくらはランディングページ(以下LP)の制作にも力を入れていて、毎ホーム節ごとにページを作ってあげて、そこに集客しています。

アナグラム

ホームのときだけなんですね?

nishikawa

ホームじゃないとチケットのお金が入らないからです。アウェイじゃお金にならない。

アナグラム

そういうことですね。アウェイの試合は制作しないといっても、毎ホームごとにLPを作るのは大変ですよね…これはテンプレートとかで対応されているのですか?

nishikawa

シーズンのはじめにテンプレートを作ります。テンプレートの更新は1年に1回ですね。そのテンプレートを基本に対戦相手の内容や見どころなどを載せていきます。あとは試合によってキャンペーンやイベントが変わるので、そういう特別なところはちゃんとデザインしています。

アナグラム

テンプレートとはいえ、チーム側もそれだけのページをチェックするのは大変そうですね。

nishikawa

大変ですね。ただ、チームの方々は今までニュースサイトに掲載される記事のチェックをやってきているので、テンプレートの方が見るべきところが統一されていて分かりやすいみたいです。チーム側もリソースがないのでチェック自体大変ですし、テンプレートの方がお互いやりやすくなっていますね。スポーツ業界からすれば、これはイノベーションだったと思います(笑)

アナグラム

自分の業界の当たり前が、他の業界では革新的なことだったということはありますよね。

nishikawa

そうなんです。スポーツ業界のWEBサイトって、1年でこれだけのお金渡すからあとはよろしく!みたいな運用をしているので、WEBサイトに新しく武器になるようなコンテンツを作るという発想や文化がないんです。とりあえず今あるWEBサイトの運用と、選手が増えたら情報を追加することしかやってなかった。

だからぼくらが作るLPも、本体サイトの中に作ってしまうと、気持ち的に耐えられないようで。本体サイトとは別でLPを作らせていただく方がお互いやりやすかった。

アナグラム

ドメイン自体はチームの公式サイトと同じなんですかね?

nishikawa

そうです。試合や日付を変えてどんどん作っていくイメージです。一度運用が波に乗るといいのですが、開幕のときは全テンプレートを変えるので辛いですね(笑)

各チームごとに大きな構成は変わらないんですが、認知度やフェーズで違いはあります。全くスタジアムが埋まらないチームもあれば、川崎フロンターレさんみたいに90%以上埋まってますみたいなチームもあり、鹿島アントラーズさんみたいに認知度が高くて全国から来ますみたいなチームもある。それぞれのスポーツやチームでフェーズが違うので、そこに合わせてLPを作ってあげないと上手くいきません。

例えばバスケチームの集客だとBリーグって何?というところから説明してあげる必要があるかもしれませんが、対してサッカーチームの川崎フロンターレさんだと、今回の対戦相手はここです、だから見どころはここでしょ!という説明で十分だったりします。集客をしていくなかでチームごとの認知度やフェーズに合わせてLPの内容を変えていくのは必要不可欠ですね。

マーケティングで稼ぐことができれば選手に投資ができる

アナグラム

今でこそ、事例も豊富で営業しやすくなっていると思うんですが、スポーツ事業を立ち上げて最初のお客さんがつくまでは大変だったんじゃないですか?

nishikawa

これがですね、ありがたいことに知り合いからの紹介がありすぐに最初のお客さんがついたんです。

北海道コンサドーレ札幌さんが最初のお客さんで、当時WEBサイトを改善していこうというときに、まずは分析ツールの導入を進められていたんですが、サイトを分析するといってもそれ以前に流入が少ないよね、という話になり、ぼくらプラスクラスに声がかかりました。

1年間でWEB経由のチケット販売を2倍にしたいという要望だったんですが、予算に限りがあったので難しいとお伝えして、前年比120%ならいけますということで実際に126%の結果を出せました。売上で前年からプラス4,000万円の効果だったので費用対効果もばっちりでしたね。

アナグラム

すごいですね。そこからスポーツマーケティングのお仕事が増えていったんですか?

nishikawa

はい。この実績を千葉ジェッツふなばしの前代表が見てくれて、「リアルの営業じゃ売り切っているからWEBの販売でさらに伸ばしたい」と依頼をしてくれました。そのお仕事も、チケット販売を前年の2倍強まで伸ばせて、千葉ジェッツの現代表が他のチームにもWEBで伸ばした話をしてくれてからさらにお仕事が増えた印象です。

アナグラム

千葉ジェッツは今でこそ強いチームですがBリーグが開幕して数年はそこまで順位も良くなかったですよね。それは集客が上手くいって選手にお金を使えるようになったからなのでしょうか?

nishikawa

そうですね。はじめから良い選手ばかりではなかったのですが、集客が伸びてお金に余裕ができてきて、選手に対して投資ができて、良い選手も集めることができるようになって、それでカンファレンス優勝し、リーグの優勝争いをするくらいに強いチームになっていきました。

アナグラム

野球の育成面でいうと広島カープがそんな感じですよね。きちんと集客をして、選手に投資ができるようになって強くなっている。

nishikawa

だから、マーケティングで収益を安定させられれば選手にも投資ができるようになり、チームが強くなればファンが満足してまた稼ぐことができて、そしてそのお金で選手に投資をしていく正のスパイラルがつくれるんです。

アナグラム

うんうん。

ちなみに、まだデジタルを強化しようとしないチームもあるんですか?

nishikawa

まだありますよ。まあでも、そういうところは集客が比較的上手くいっているので必要性を感じていないのかもしれません。ぼくらとしては、まずは全スポーツチームを満員にして、今度は顧客単価を上げていくお手伝いができればいいですね。そうなると、グルメやグッズを顧客の購買データを分析してより売っていけるようにしていかないといけません。

アナグラム

グルメは集客に影響が大きそう…

nishikawa

はい、かなり大きいです。特にリピーターに影響します。

アナグラム

まずいホットドッグ食べながら試合観てもアレですもんね(笑)

nishikawa

そうなんですよ。海外とかだとその時々に応じて人気なお店をスタジアムの中に必ず入れていて、外だとなかなか食べられないけどスタジアムの中だと食べられることを売りにしていたりします。そうするとみんなスタジアムに来てくれて、SNSでも投稿されて話が広がっていくので、やっぱりグルメは影響が大きいんですよね。

スポーツのシズル感を伝えていける組織をつくっていきたい

nishikawa

広告も重要なんですが、SNSで拡散させて盛り上げる意味でも、ぼくらはスポーツのシズル感を伝えていける組織になりたいですね。なのでクリエイティブには力を入れていきたい。

スポーツはSNSだと静止画より動画の方が圧倒的に反応が良いですし、臨場感も伝わります。画像も表現の仕方次第で伝わり方がだいぶ変わりますよね。今後ますますスポーツのシズル感を伝えていくことが求められてくると思うので、ぼくらはマーケティングのメンバーだけでなくクリエイティブのメンバーもどんどん増やしていく予定です。

アナグラム

クリエイティブの需要はありますよね。ただ採用がむずかしそうだなとは思いました。スポーツ業界がなかなか儲からない説ってあるじゃないですか。一般的な休日に関係なく試合に合わせて仕事しないといけないですし、トップスポーツ選手はともかく、それを支えている方々の給料は決して高くないと言われている。いくらスポーツが好きでも、ハードワークで給料が低いと10年もしないうちにげんなりして辞めていく人を何人か見てきました。今後スポーツ市場が伸びていけば、まずは選手の給料が上がるのかと思ったのですが、スタッフにも還元されるようになるのでしょうか?

nishikawa

長い目でみていけばそうなると思っています。理由はあって、野球のチームだとすでにその動きがあるんですよね。事業部長以上はMBAホルダーが多くて、かなりハイスペックな人材が入ってきているので、役職が上の人から順に給料は上がっていくと思います。福岡ソフトバンクホークスとかは売上が年280億円くらいで中企業規模にはなっているので、まったく安い給料ということはないはず。だからスタッフの給料への還元でいえば、サッカーやバスケもマーケットとして野球に近づいて事業規模を伸ばしていけるかがポイントです。まだあの熱心なファンの多い浦和レッズでも年間売上が80億円ほどですからね。

アナグラム

浦和レッズで80億円ほどなんですね。野球と比べるとだいぶ少なくて驚きました。

nishikawa

そうなんですよ。ただ、浦和レッズもスタジアムの収容人数にまだ余裕はありますし、グッズ販売もまだ伸ばす余地があります。海外の選手を獲得して、その選手が日本にファンやスポンサーを連れてくれば外貨も稼げるので、本当はまだまだやりようがあって。でも、そういうスキルを持ったり、アイデアを考えられる人材がいないんですよね。

アナグラム

なるほど。サッカーのスタッフはまだ給料も高くないイメージがあります。そういう背景でなかなか優秀な人材の転職先として候補に入りにくいんでしょうね。

nishikawa

そうですね。スポーツが好きだ!という方は多いですが、スポーツが好きで尚且つスポーツビジネスを伸ばせる人材はまだまだ少ないと思いますね。

セカンドキャリア支援に向けて

アナグラム

最後に、アスリートのセカンドキャリア支援に向けて、今後どんなことをやっていきたいのか教えてもらえますか?

nishikawa

はい、まずはtoBの観点でスポンサー営業のマーケティング支援を考えています。プラスでスポーツを軸とした地方のマーケティングの支援ですね。ぼくらはスポーツチームの支援という視点では観客であるtoCの要素とスポンサーであるtoBの要素があるんですが、toCの集客の方ではお仕事をいただくことが増えてきているので、今後はtoBの方も増やしていきたいです。多くのスポーツチームにはまだマーケティングの部署がないので、そこの機能を提供していけると価値があるし、ぼくらも収益を伸ばしていけるのかなと。

アナグラム

もっと収益を伸ばして、セカンドキャリア支援をやっていける資金力をつけていくということですね。資金調達でいえば上場も考えているのでしょうか。

nishikawa

はい、PSIは3つの理由で上場をめざしています。

まず1つ目の理由ですが、海外に行くために上場企業の看板があるとやりやすいからです。日本のスポーツ市場は2025年に15兆円規模になると言われていますが、日本だけでなく、アジアをはじめ海外にもサービスを提供していくつもりです。

2つ目は、ぼくらが本当にやりたいセカンドキャリア支援の資金を調達するためです。アスリートの転職支援は、ソフトの提供じゃニーズがないとわかったので、今後ぼくらがやろうとしているのはハードの提供。具体的には、うちがアスリートを採用して教育し、2~3年したらマーケターとして彼・彼女らをスポーツチームに常駐させるという仕組みを考えています。チームのマーケ人材の不足とプロアスリートのキャリア出口の不足をマッチングさせたいと考えています。ただ、そのセカンドキャリア支援をしていこうとすると、どうしても2~3年は教育のコストがかかるので、アスリートを会社に迎え入れて、稼げる人財になるまで組織が耐えるための資金が必要なんです。

3つ目は、そういったアスリートのセカンドキャリア支援をやっている会社があることを世の中に知ってもらうためです。やっぱり、上場の看板を持った会社がセカンドキャリア支援をしている方が、その看板を持っていない企業がしているより世の中に広まりやすいですよね。

アナグラム

楽しみですねー^^

そういえば、スポーツチームに対して直接の投資はしないのか気になっていました。

nishikawa

ないです。経営権を取りに行ってしまうと、試合の勝敗でも競合がでてきてしまいますし、本当に難しいです。なので、ぼくらはあくまで外部のマーケティングとクリエイティブを支援する立ち位置です。

アナグラム

なるほど。スポーツ選手のマネジメントもできそうですよね。

nishikawa

できますね。代理人業をするかはわかりませんが、現役中の選手にぼくらがマーケティングを教えていくのはありだと思っています。選手にとってはファンを増やす意味で興味を持ちやすいですし、自分の売り込み方にもつながりますよね。

アナグラム

スポーツ選手ってファンの数をどのくらい気にしているんですか?

nishikawa

めっちゃ気にしてます(笑) 同期入団の選手のTwitterのフォロワーとか気にしてチェックしてますね。なのでTwitterのフォロワーを増やす目的でマーケティングの話をすれば、すごく真面目に聞きますよ。

アナグラム

フォロワーがいれば引退したあとも何かを始めやすいですよね。

nishikawa

そうそう。フォロワーが多いこと、フォロワーを増やすことは、本人のキャリアに対してすごいプラスになりますね。

現役のうちにエクセルやパワポを教えても絶対に身につかないことはわかっているんですが、それは必要性を感じていないから。そこを彼・彼女らが求めていることと関連づけてあげると勉強するはずです。

アナグラム編集後記

プロスポーツの試合中、お客さんが自分だけを見る瞬間が何秒間かあるそうなのですが、このときの沸きあがる感覚が忘れられず、引退後、虚無感におそわれてしまうアスリートは少なくないそうです。平地さんご自身もこの経験があり、そのつらさを理解しているからこそ、引退後のアスリートの方々を救ってあげたい気持ちが強いとのこと。

アスリートのセカンドキャリア支援は簡単なことではないと思いますが、平地さんのアスリートの方を救いたい、素質のある人が将来の不安なくアスリートをめざせる環境をつくりたいという強い思いが本物だからこそ、実現に向けて進んでいるんだろうなと思います。

東京オリンピックの開催がいよいよ来年に迫り、スポーツがますます盛り上がっていますが、そんなスポーツ業界において、「マーケティングで稼ぐことができれば選手に投資ができる」というお話もありましたが、市場を伸ばしていくこと以上に、アスリートを増やしていく、育てていくことに、平地さんは貢献しているのだなと思った取材でした。

文:秋山侑太朗
編集:阿部圭司/賀来重宏
写真:賀来重宏