「Socialである事業をどうProfitにするか?」医学の課題をマーケティングで解決する|キャンサースキャン 代表取締役 福吉潤さん

  • 関東

「2025年問題」をご存知でしょうか。いわゆる「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となる超高齢化社会がもうすぐそこまで来ています。

私達は日々のマーケティング業務において、クリック率0.3%、コンバージョン率1.0%など、「届いている側」にフォーカスしがちです。しかし、その事実は見方を変えると99%近くの人には届いていないとも言えます。そんな中、日本国民の健診受診率100%を目指すべく「人と社会を健康に」というミッションを掲げる企業があります。

ハーバード大学経営大学院にてMBA取得後、行動科学・行動経済学のフレームワークで一人でも多くの国民が健康に過ごせる社会を実現すべく医学が見つけた課題を、マーケティングで解決する株式会社キャンサースキャンの創業者 代表取締役社長 福吉 潤さんにお話を伺う機会を頂きました。読者の方の多くは自分ごと化しづらい事象と思いがちですが、決して他人事ではいられない驚きのお話は必見です。

夢の実現は七転び八起き。君は、仕事に人生をかけられるか。

アナグラム

マーケティングに行動科学を取り入れたら、がん検診に行く人が3倍増えた話』は非常に大きな反響を呼んでいましたよね。noteを拝見していて、「自分の人生をかけるに十分なもの」「妥協しない姿勢」など、福吉さんの人となりを感じるエピソードが印象的でした。その姿勢は幼少期からもたれていたのでしょうか。

fukuyoshi

両親が大学教授ということもあり、家で両親が仕事をしている姿は、幼少期から私にとって当たり前でした。その影響で「仕事に人生をかける」姿勢が私の中には自然にあったのだと思います。今でも仕事のオンオフという感覚はなく、自然と仕事をしていることも多いし、それがオフを犠牲にしている感覚もないんですよね。やっぱり自分の人生をかけて仕事をし、それが世の中の役に立っていることが当たり前に育ったのだと思います。

アナグラム

「仕事に人生をかける」という言葉が自然に口から出てくるのがとても印象的です。福吉さんは大学卒業後、マーケティング企業に勤めてから、ハーバード大学経営大学院に進学されていますね。ビジネススクール行きを決めるまではどのような心境でしたか?

fukuyoshi

実は、ビジネススクールに行くことを決めたのは大学生の頃でした。大学のゼミで経営戦略論を学んでおり、大学院で更に学びを深めたいと教授に相談した際に海外のビジネススクールを勧められたんです。ビジネススクールの受験条件として3年間は実務を経験する必要があったので、3年働いたら海外のビジネススクールに行こうと決めていましたね。

アナグラム

社会に出てから進路を決められたと思っていたのですが、大学生の時点ですでに明確になっていたのですね!

fukuyoshi

そうですね。当時は朝5時から英語の勉強して出社をする生活で、今思い返すと結構ハードでした。そして、意を決して3年後に受験したんですが、落ちてしまって。

アナグラム

えっ!?落ちたんですか……?

fukuyoshi

そうなんです、通えなかったんです(笑)ハーバード大学のビジネススクールは1度落ちたら、浪人しても受からない1回ぽっきりの勝負と巷では言われていました。私の5年来の夢が潰えた瞬間でしたね。

アナグラム

計り知れないほどショックだったでしょう……。

fukuyoshi

ショックでしたけど、意外と落ち込みませんでした。単純に修行が足りなかっただけだと。だから、2回目もやるしかないと思い、更に2年修行をして再受験。結果、また落ちました。

アナグラム

なんと……!ハーバード大学のビジネススクールは高き壁ですね。

fukuyoshi

ただ、どうしても入学したかったので「2回だめでも、3回目やればいいだけだ」と思っていましたね。そして、3度目の受験では面接に呼ばれ、東京からWebでも受検できたのですが、一発逆転の意味も込めてボストンに向かいました。

そこで面接官に「なぜ、2度も受けてだめだったのに、3度目を受けたのか?」と。

アナグラム

ドキッとする質問ですね…。面接ではなんと答えたんですか?

fukuyoshi

2度目の受験までは「マーケターとしてすごくなりたい」ぐらいにしか考えていなかった。しかし、今は消費財のマーケターとして進むのではなく、本気で世の中のためになる仕事をするためにキャリアを変えたいと思っている、という率直な思いを伝えました。結果、3回目にして無事試験に合格。周囲でも3回目で合格した人を聞いたことがないのでかなりレアなケースだと思います(笑)

ビジネスの原体験「人が喜んでもらうことの対価がお金になる」

アナグラム

ご両親が教師という家庭環境もあり「人のためになることをしなければならない」という義務感が福吉さんの動機になっているのではとお話を通じて感じました。この義務感が「人のためになることをしたい」という欲求に変わる瞬間はどのようなきっかけがあったのでしょう。

fukuyoshi

最初から義務という感覚は持っていませんでした。大学生の時に受験生向けに講座を開いたことがあり、たくさんの受験生が集まって気づけば受験生のメンターのようになっていたんです。

正直、最初はシンプルに“儲けたい”というお小遣い稼ぎの感覚でした。ただ、お菓子の空き缶に5,000円札が貯まっていく光景をみて「自分のアイディアを世の中に仕掛け、そしてその結果が出る。あぁ、これが商売か」としみじみと感じたのを今でも覚えています。そして同時に、「人に喜んでもらう」「人の役に立つ」とその人がお金を払ってくれる。つまり、誰かの喜びの対価がお金なんだと実体験できたのが私自身のビジネスの原体験ですかね。

アナグラム

とても濃密な体験ですね……!その原体験があったとしても、社会人経験を経てビジネススクールに2度落ちても諦めず、3度も挑戦するのは誰にでもできることではないと思います。なにか、信念のようなものを感じざるを得ません。

fukuyoshi

諦めの悪い性格なんです(笑)だから失敗しても「心が折れる」と言うよりは「じゃあ、またやればいっか」という考え方なんですよね。

アナグラム

なるほど、物事の捉え方の違いですね。しかし、ビジネスにおいては引き際が大事な場面も出てくると思います。その時はどのように判断していますか?

fukuyoshi

たしかに撤退ラインを決めるのは一般的な方法だと思いますが、私には引き際という概念がないですね。ただ、撤退というわけではないですが、創業7年目では売上の8割を占めていた調査研究事業からは思い切って舵を切ったことがありました。

アナグラム

売上の8割を占める事業からの舵切りですか……!?

fukuyoshi

はい、設立して約7年間キャンサースキャンはほぼ医療研究シンクタンクのような会社だったんです。このnoteの内容もそのひとつで、様々なところからお声がけいただき、共同研究を行い、学会で評価頂くこともありました。

ただ、研究って基本的には論文を発表してそれで一旦、終わるんです。じゃあ自治体がその論文を自分たちで見つけて、施策に活かしてくれるかというと、そう上手くはいきません。設立時に「医学の課題をマーケティングで解決する」「エビデンスプラクティスギャップを埋める」を掲げたものの、「解決」の一歩手前で終わっていたし、「ギャップを埋められていないのでは?」とふと気づいたんですよね。

改めて、これが本当にやりたかったことなのかを問い直した時に、7年目にして「世界、社会を変えているつもりになっていただけだ」とハッとしましたね。その時、本気で社会を変えようと一念発起して当時売上の8割を占める研究部門を閉じる決断をしました。

※エビデンスプラクティスギャップ:エビデンスに基づく介入があるにもかかわらず広く実施されていない状況

アナグラム

頭では理解できても売上の8割を占める好調な事業を畳む決断は苦渋の決断だったのではないでしょうか…。

fukuyoshi

自分たちがやろうと思ってたことができていないと気づいたので、売上のためだけにやり続ける選択肢は私にはありませんでした。普段は引き際が悪いんですが、あの時の判断は早かったですね。そこから、現在の検診・健診(※)を受ける人を増やす事業を始めました。幸いにもこれまでの研究で行動科学に即したエビデンスはあり、そのエビデンスを自治体に広げるために改めて事業を開始しました。

※検診と健診の違いについて
①検診:がん検診など
②健診:特定健診のこと。キャンサースキャンが手がける国民保険加入者を対象とした健康診断を指す

“めんどくさい”にも相手には相手の理屈がある。

アナグラム

自治体とのお仕事が拡大したきっかけは何だったのでしょうか。

fukuyoshi

2016年時点では取引数は20団体程でした。その後5年間で650団体まで増えています。全国で1,718自治体(2022年5月現在)あり、200団体までは増えるのに時間がかかりましたが、そこからは一気にお取組みできる自治体が増えています。

自治体の方の通説的な考え方では、民間企業にお金を支払ってマーケティングを委託すること自体、革新的な取組みでした。そのため今後、自治体との取組みを拡大していくためには事例がとても重要になるだろうと。そのため、最初はアーリーアダプターとなる50団体ぐらいに声をかけていき、「面白いですね!うちでやりましょう!」と賛同いただいた団体と共に事例作りを行いました。そうして事例が増えた結果、マジョリティーが動いてくるようになり、一気にお仕事が増えるようになりましたね。

(※)アーリーアダプター:イノベーター理論における5つのグループの1つ。 流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する層。 新しい商品やサービスなどを早期に受け入れ、消費者に大きな影響を与える。 オピニオンリーダーとも呼ばれる。

アナグラム

自治体によっても、比較的動きが早いアーリーアダプターのところもあるのですね!とはいえ民間企業と比較してしまうとどうしても、腰の重い自治体もあるのかなと思います。自治体とお仕事していく中で大変なことはありましたか。

fukuyoshi

最初に戸惑ったのはメールの文化ですね。当時の担当者さんに「メールを送った後は電話をくれないと困るじゃないですか」と怒られたことがあったんです。こちらの感覚からすると、「いや、メールは普通に確認してくださいよ。」と思うじゃないですか。

また、予算調整も柔軟ではないため年度の途中でいいアイディアを思いついてご提案しても、「それいいですね!じゃあ再来年の予算に組み入れますね!!来年の予算はもう決まっちゃったんで」ということも珍しくありません。

アナグラム

業界が違えば“当たり前”も変わりますよね。

fukuyoshi

そうなんです。相手には相手なりの理屈があるので、それを理解せず押し通そうとしても意味がなくて、ルールを理解してその中でどうするかを考えることが重要なんですよね。例えばメールの件は、自治体の方は民間企業とは異なり、個人のメールアドレスは持っているものの、外部とのやり取りの際には課のメールアドレスが使われることが多いのです。なぜなら、取引業者との癒着や職員の不正防止のために複数の人が見れる状態にして職員を守るという明確な目的があるからです。なので、メールをした後に電話で連絡を入れておかないと担当者さんの確認が漏れてしまう可能性がある。この事情を知っていればメールの後に電話するという文化にも納得できますよね。

fukuyoshi

年度予算も同様で、自治体のお仕事は市民のためを考えないといけないので、市民の代表である市議会の承認を経て事業化に動きます。市民から集められた税金の使い道を担当者一人で決めてしまっては問題ですよね。そのようにまず相手の立場を理解しなければいけません。

日常生活でも“めんどくさい”と思うことって多々あると思います。しかし、立場が変われば相手にも相手なりの理屈やロジックがあるんです。それを理解できてからは、相手の立場に合わせて行動できるようになりました

社会貢献“だけ”でもお金儲け“だけ”もダメ。「Social and Profit」の両立を体現し続ける理由とは

アナグラム

受診率向上事業も拡大されている中で、高齢者向けに事業を広げられていますよね。既存事業を基に事業拡大をされていると思いますが、どのような事業判断で拡大されているのですか?

fukuyoshi

国家予算である社会保障費の話が基になっているので、少し長くなりますが背景からお話しますね。日本は国民皆保険制度で、全国民が公的医療保険に加入しています。保険証があればどこの病院に行っても医療を受けることができ、高額医療費制度によりひと月の自己負担の上限を超えた分は補助金が支給されます。世界中でこれほど手厚い社会保障制度の国は珍しいんです。逆を言うと、それだけとてもお金がかかります。事実、国家予算100兆円の日本において、医療費だけで40兆円も占めているんです。

国民皆保険制度は、古い制度で1961年に施行されています。制定当時の医療費は0.6兆円と言われ、貨幣価値の違いもあるので一概に比較はできないですが、GDPに対する割合で見ても微々たるものでした。

その後人口が増え、寿命は大幅に伸びていますが当時の制度が現在まで約60年間も引っ張られてきている。つまり、今の医療制度が現代の高齢化社会で長く続く可能性は非常に低いと考えています。

アナグラム

世界一長寿の国と言われる日本において、60年前の制度そのものが合っていない可能性があるということですね。

fukuyoshi

はい。ただ、私たちは民間のマーケティング企業なので制度を変えることはできません。できることがあるとすれば、マーケティングを用いた行動変容によって病気の早期発見・早期治療を促し、社会保障費抑制につなげることなのかなと。

現状、受診率向上に対してはアプローチできているものの、受診して要治療だった方に治療を受けてもらうという課題も存在します。健診を受けた人の約40%が要治療になるといわれていますが、実際に治療を受けに行く人は50%ほどなんです。

健診を受けた人を治療につなげていかなければ本当の意味で我々のミッションを達成することはできません。だから、長い階段ではあるものの、1段づつ着実に上っていかないといけませんね。2025年問題も目の前に迫る中、私たちは高齢者事業をやらない訳にはいかないのです。

アナグラム

課題が大きい分、やらないといけないことがあまりにも多いですね。社会的意義も大きく、同じ熱量を持つ同志を増やしていくことも大事だと思いますが、採用の時に意識されていることはありますか。

fukuyoshi

「人と社会を健康に」というミッションを持ち、社会に貢献をしたいという想いが一番大事だと思います。加えて、社会貢献をビジネスとしてやるところに面白みとプライドを持てる人に来てほしいですね。私たちのコアバリューの1つに「Social and Profit(社会貢献とビジネスの両立)」があります。私らのビジネスを「面白いビジネスの着眼点に目をつけててボロ儲けじゃないですか」と考える人はちょっと違うと思う一方、「社会貢献はしたいですが、お金儲けや、ビジネスはどうでもいい」と言う人も合わないと思います。どちらかだけではなく、社会貢献とビジネスを両立できるところに面白みがあり、それがビジネスのプロフェッショナルとしてのありたい姿であると共感いただける人とご一緒したいですね。

アナグラム

採用以外に「Social and Profit」のバランスを保つために取り組まれていることはありますか。

fukuyoshi

順番としてはまずSocialから考えるようにしていますね。儲かりそうな事業に対してSocialを後付けするのではなく、Socialである事業をどうProfitにするか?という順番です。

いま取り組んでいる骨折予防の事業はまさにその一例ですね。骨粗しょう症の方が転倒による骨折で寝たきりになってしまうという社会問題があります。骨粗しょう症は骨が弱くなる病気なのですが、骨を強くする治療薬があるので予防的治療が可能です。しかし、対象者となる方の多くが「牛乳飲んで運動してるから治療は受けなくて大丈夫」と考えている。自分なりにやれることはやっているので治療は必要ない、と考える気持ちもわかるのですが、医学的に確立されている治療を受けずに結果、骨折してしまうのは良くないですよね。

そこで自治体の保有しているレセプトデータ(※)を基に、「骨折経験があるが骨粗しょう症の治療がされていない方」を名簿化して自治体から治療を促すことができないかと考えました。

(※)レセプトデータ:診療報酬明細書の通称で,保険医療機関が患者の傷病名と行った医療行為の詳細をその個々の請求額とともに審査支払機関を通して保険者に請求する情報

fukuyoshi

それをある自治体に提案に行った時にとても興味を持ってくれたのですが、まさに「いいですね!再来年やりましょう!!」だったんです。そこで私らが利益度外視で実施するとSocial and Profitが体現できない。とはいえ予算を待っている間にも寝たきりになってしまう人がいる……。そこで目を付けたのがPPP(Public Private Partnership)という官民連携スキームでした。骨粗しょう症の疾患啓発に熱心な企業と一緒になって取り組もうと思いました。バイオテクノロジー企業のアムジェン社に提案を持っていったところ、とても乗り気で一緒にやってくれることになり、結果的に再来年を待たずプロジェクトを実行することができました。

参考:キャンサースキャンとアムジェン、大阪市における骨粗鬆症の二次骨折予防を目的とした官民連携による骨粗鬆症疾患啓発事業協定を締結

アナグラム

なるほど……!!予防医療を軸に国の社会保障費削減といったところにまで影響を及ぼすとても社会的意義の大きい事業に取り組むキャンサースキャンですが、今後の展望などはどのように考えていますか?

fukuyoshi

「人と社会を健康に」というミッションをもとに健診・検診率をあげ、健診・検診を受けた人を医療につなげていくことは今後も変わらないコンセプトです。しかし、後に残るのは職場の若い人たちですよね。自治体関係なく職場での健康診断など健康行動の領域はじつはまだたくさんあります。だから、縦に対象者、横に対象領域というマトリックスでとらえると今はまだ左下の一角にしか取り組めていません。そこから、縦にも横にも領域を広げていかなきゃいけないと思います。

今、日本が抱えている医療費負担の増加は少子高齢化社会に起因します。つまり今後、どの国でも起きうる事象であり、高齢者がいつまでも健康でいる社会の実現は普遍的な課題なのです。そう考えると私たちの研究や事例は、他の国にも活かすことができるのではないかと考えていますし、それができるのはキャンサースキャンしかいないんじゃないかな。

アナグラム編集後記

インタビュー開始と同時に、福吉さんの目の前に広げられたノートと筆記用具が印象的でした。インタビューの間、そのノートに文字が書かれることはありませんでしたが、新参者の私たちに対する敬意と真摯な姿勢が垣間見える気がしました。

福吉さんにお会いする前は、経歴に圧倒されつつ「どんな凄腕マーケターがいらっしゃるのだろう…」と少し緊張していました。しかし、お話を通じて「あと1回…いや、3回くらいは周囲に無理と思われても、まぁ、見とけよ。みたいなことがやりたいですね」と、noteの文章だけでは感じることのできなかったロジカルさの中に沸き起こるパッションを確かに感じる熱い方でした。

福吉さんには”当たり前”のことで「そんなことないです」と言われてしまいそうですが、自らのミッションを持てる幸せ、それを実現し継続できる折れない心に憧れをもつ方も多いのではないでしょうか。

その生き方に惹かれながらも、誰よりも真剣にマーケティングを通じてのコミュニケーションに向き合う福吉さんのインタビューを通じて、100人のうち1人ではなく、残りの99人という数字の奥にいる「人」とのコミュニケーションに真剣に向き合えているのか。改めて問い直すきっかけになる素敵な機会をありがとうございました!!!

取材:杉山美和/賀来重宏/佐竹篤紀
文 :杉山美和
編集:賀来重宏/佐竹篤紀
写真:賀来重宏